カレンズ AOIは眼、粘膜、皮膚等を腐食し、危険性が大きいので、以下のことを注意して取扱う。
1) 取扱作業者には、カレンズ AOIの毒性、反応性等につき、定期的に教育を受けさせる。
2) 皮膚、眼、着衣などに直接触れないように注意する他、蒸気を吸い込まないようにする。
3) もし、衣服にかかった場合は直ちに脱ぎ、皮膚は十分水で洗った後石鹸で洗い再び水洗いする。汚染した衣服は破棄する。
CAS No.13641-96-8
2-イソシアナトエチルアクリラート
カレンズ AOI
化学名別名:2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート
C6H7NO3
分子量:141.12
特長
- カレンズ AOIの化学的特長:分子設計の自由度が高くイソシアネート基を持つポリマー(オリゴマー)あるいは、アクリル基を持つポリマー(オリゴマー)を容易に合成することができる機能性モノマーです。
- 二重結合の特性:カレンズ MOIより、高い光硬化性を有するUV硬化性モノマーです。
反応性
カレンズ AOIは、カレンズ MOIより速い硬化速度を示します。
HEA/HEMAタイプとAOI/MOIタイプの比較
AOI-HD
MOI-HD
HEA-HDI
HEMA-HDI
試験条件
モノマー
「AOI-HD」:カレンズ AOIと1,6ヘキサンジオールで合成したウレタンアクリレート
「MOI-HD」:カレンズ MOIと1,6ヘキサンジオールで合成したウレタンアクリレート
「HEA-HDI」:HEAとHDIで合成したウレタンアクリレート
「HEMA-HDI」:HEMAとHDIで合成したウレタンアクリレート
硬化条件
- 開始剤 : イルガキュア184 5mol%使用
- UV露光機 : 超高圧水銀灯25mW/cm2使用
硬化方法
モノマーを溶媒に溶解し、PETフィルム上にアプリケーターで塗膜を作成し、80℃×0.5hr乾燥後、UV照射
結果
重合率が50%まで到達する時間で評価した。
UV硬化性は、「カレンズ AOI」>「標準アクリレート」>「カレンズ MOI」>「標準メタクリレート」
スクロールできますカレンズ AOI | アクリレート | カレンズ MOI | メタクリレート | |
---|---|---|---|---|
重合率50%到達時間(sec) | 10 | 20 | 72 | >200 |
カレンズ AOIは脂肪族イソシアネートであるIPDI、HDIよりも高い反応性を示し、芳香族イソシアネート並みの反応性を示します。
高いイソシアネートの反応性(硬化性C=C二重結合の簡便な導入)
トルエン溶媒中,60℃,触媒なし,n-ブタノールと反応,NCO/OH=1/3(mol)
試験条件
供試モノマー
カレンズ MOI、カレンズ AOI
反応条件
- 60℃、無触媒
- 「カレンズ MOI」 カレンズ MOI:2部、2-プロパノール:2部、トルエン:20部
- 「カレンズ AOI」 カレンズ AOI:1.82部、2-プロパノール:2部、トルエン:20部
カレンズ MOI/カレンズ AOIでモル比であわせ、上記条件でアルコールとの反応速度を比較しました。
結果
カレンズ AOIは、カレンズ MOIとほぼ同等の反応性を示しました。
用途
電子材料(液状レジスト、フィルムレジスト、粘・接着剤)、印刷(刷版、カラー校正)、医療(ソフトコンタクトレンズ、歯科材料)、繊維・紙・木材(表面処理剤)、自動車(トップコート、補修用塗料、部品塗料)、家電(基板、絶縁材料)、建築用材料(セメントプライマー、塗料、接着剤)
物理化学的性質 | |
---|---|
性状 | 常温で液体 |
引火点 | 91.9℃ |
融点 | -115℃ |
自然発火温度 | 420℃(942.5hPa) |
蒸気圧 | 30Pa(25℃) |
比重 | 1.13 |
品質情報 | |
---|---|
色相 | 無色または微黄色澄明液体 |
臭気 | 刺激臭 |
純度 | 97%以上 |
有害性情報 | |
---|---|
急性毒性 | 経口 LD50(rat) 300mg/kg |
感作性 | 有 モルモット:陽性 |
変異原性 | 有 モルモットに強い感作性がみられた。 |
急性毒性 | Ames test S 9mix(+)WP2uvrA:陽性 S 9mix(+)TA98, TA100, TA1535,TA1537:陰性 S 9mix(-)TA98:陽性 S 9mix(-)サルモネラ:TA100, TA1535,TA1537, WP2uvrA:陰性 |
環境影響情報 | |
---|---|
環境毒性 | ニジマス LC50(96hr) 30.7mg/L、NOEC:20.7mg/L ミジンコ EC50(48hr) 30.7mg/L、NOEC:20.7mg/L |
適用法規 | |
---|---|
消防法 | 第2条危険物 第4類 第3石油類 非水溶性液体 |
国際連合危険物輸送基準 | 国連分類:クラス6.1(毒物) |
取扱および保管上の注意
ご使用になる前に、(株)レゾナック作成の製品安全データシートをお読みください。
取扱い
保管
- 水、熱、強塩基、活性水素化合物(アルコール、アミン)との接触を避ける。
- 湿気と反応し、不溶性のウレアおよび炭酸ガスを発生する。
- ウレアはパイプ、弁等の詰まりの原因となり、炭酸ガスは圧力上昇による容器破裂の原因となるので注意する。
- 冷暗所に貯蔵。
- その他、毒劇物、消防法などの法令に定めるところに従う。
荷姿
ケミカルドラム:1kg、20kg
※ここに掲載されている情報は、現時点における真実かつ正確と考えられるデータに基づいて作成しております。 しかしながら、(株)レゾナックは、カレンズ AOI使用の結果、あるいはいかなる特許の侵害に対しても責任やリスクを負うものではありません。