CAS No.78279-10-4

2-[0-(1'-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリラート

カレンズ MOI-BM

2-[0-(1'-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリラート
C11H18N2O4 分子量:242.27

特長

  • 熱処理により脱ブロック化して、活性なイソシアネート基を再生します。
  • 各種ビニルモノマーと良好な共重合性を示します。
  • イソシアネート基が保護されており、通常の条件では活性水素化合物の存在下でも安定です。
  • ウレタン系塗料等の1液化、水系エマルジョン化や水溶性樹脂への応用が可能になります。

反応性

MOI-BM の反応性の図

カレンズ MOI-BM は、MMAやスチレン等と良好な共重合性を示します。

モノマー・コポリマー組成曲線の図
図: モノマー・コポリマー組成曲線

カレンズ MOI-BM のQ,e値Q 1.35e 0.44

処方例:溶液重合

処方例:溶液重合の図

モノマー組成と生成したポリマーの分子量
モノマー組成分子量(Mw)
MMA/nBA/Karenz MOI-BM =15/50/358,000
MMA/nBA/Karenz MOI-BM /HEMA/AA=15/50/20/10/5 14,000
  • カレンズ MOI-BM はのブロックイソシアネート基は、通常の温度条件では安定です。
  • HEMA共重合の40℃保存安定性試験において、脱ブロックによる架橋高分子は、ほとんど認められません。

HEMA共重合体の経時安定性の図
図: カレンズ MOI-BM /HEMA共重合体の経時安定性:40℃

処方例:エマルジョン重合

処方例:エマルジョン重合の図

モノマー組成と塗膜の性状
≪モノマー組成≫≪塗膜性状≫
MMA/nBA/Karenz MOI-BM =15/50/35透明塗膜を形成
MMA/nBA/Karenz MOI-BM /HEMA=15/50/25/10耐溶剤性塗膜

※キュア条件:150℃×30min

用途

接着剤(熱硬化型接着剤、ホットメルト接着剤)、コーティング材料(1液ウレタン塗料、PCM塗料、粉体塗料、表面処理剤、表面改質剤、繊維処理剤、紙加工材)、成形材料(熱効果性成形材料、シーリング剤)

用途の図

物理化学的性質
性状 常温で液体
密度 1.09g/cm3
引火点 139℃(クリーブランド開放式)
粘度 120mPa・s(25℃)
品質情報
外観 無色~淡黄色澄明液体
色度(APHA) 50以下 
純度 96%以上
有害性情報
皮膚刺激性 刺激性なし
眼刺激性 軽度の刺激性あり
急性毒性 LD50 700-800mg/kg(経口ラット)
悪急性毒性 最大無作用量11.1mg/kg/day(28日間連続投与、ラット雄)
変異原性 Ames試験 サルモネラ、大腸菌:陰性
生分解性 難分解性
環境影響情報(環境毒性)
魚毒性 ヒメダカ 96hr LC50 3ppm
藻類成長阻害 Selenastrum Capricornatum NbC50 127ppm
適用法規
消防法 危険物第4類第3石油類
国際連合危険物輸送基準 該当しない
注意取扱および保管上の注意

ご使用になる前に、(株)レゾナック作成の製品安全データシートをお読みください。

取扱い

1) 吸い込んだり、眼、皮膚に触れないように、適切な保護具を着用する。
2) 容器を転倒・落下・衝撃等粗暴な取扱いをしない。
3) 取扱い後は、手洗い、うがいを十分行う。

メチルエチルケトンオキシムの取扱い及び有害性情報1

熱処理により脱ブロック化して、MEKオキシム(蒸気)を発生します。

【取扱い】

・蒸気を吸い込んだり、眼、皮膚及び衣類に触れないように適切な保護具を着用し、風上から作業する。

【保護具】

・防毒マスク、保護眼鏡、保護手袋、保護衣(不浸透性のエプロンとブーツ)

【応急措置】

・吸入した場合は、被災者を直ちに空気の新鮮な場所に移動させ、必要に応じて酸素吸入を行う。

【火災時措置】

・消化剤 :ABC粉末、炭酸ガス消火器、エアフォームが有効。

【有害性情報】

  • 刺激性:眼に刺激性あり。
  • 急性毒性:LD50 2800mg/kg(経口ラット)
  • 変異原性:Ames試験 陰性

保管

  • 冷暗所に貯蔵。
  • 消防法などの法令に定めるところに従う。

荷姿

・ケミカルドラム:15kg

引用文献

1) MEKオキシムメーカーの製品安全データシート

※ここに掲載されている情報は、現時点における真実かつ正確と考えられるデータに基づいて作成しております。 しかしながら、(株)レゾナックは、カレンズ MOI-BM 使用の結果、あるいはいかなる特許の侵害に対しても責任やリスクを負うものではありません。