UV/熱ラジカル硬化助剤"(メタ)アクリル系"として

紫外線を照射すると、(メタ)アクリル樹脂などの不飽和化合物を使用したラジカル重合系の反応性と感度を向上させることができます。
第二級SH基を特長とし、従来のチオールと比較して混合物を安定化させ、貯蔵寿命の延長により1液組成物に適しています 

感度向上

感度向上の図

酸素阻害低減

アクリレートの重合は、酸素の影響を受けやすく、過酸化物ラジカルが生成して、重合を止めます。
チオールは、過酸化物ラジカルに水素供与して、自身がチイルラジカルになり、重合を進行させます。
言い換えれば、いままでアクリル光重合ではできなかった下記の問題が、チオールの添加で解消できます。

酸素阻害低減の図

IR-イメージング

硬化条件 露光量 1/cm2

  • 空気雰囲気下(PE1 0wt%, 5wt%, 10wt%)
  • 窒素雰囲気下(PE1 0wt%)

断面図

測定法 : 顕微ATRイメージング法(Ge)
測定範囲 : 70 μmx70 μm

二重結合由来の1408 cm-1を測定し、強度を色で表現しました。

スクロールできます
PE1添加濃度 0wt%(N2下)
PE1 / U-15HA / TMPTA / Irg184 = 0/47.5/47.5/5
0wt%(Air)
PE1 / U-15HA / TMPTA / Irg184 = 0/47.5/47.5/5
5wt%(Air)
PE1 / U-15HA / TMPTA / Irg184 = 5/45/45/5
10wt%(Air)
PE1 / U-15HA / TMPTA / Irg184 = 10/42.5/42.5/5
タック なし あり なし なし
IR-イメージング画像 0wt%(N2下) 0wt%(Air) 5wt%(Air) 10wt%(Air)

低反応率 反応率の図 高反応率

深部硬化性

UV露光による連鎖移動能力の効果

  • 連鎖移動能力の効果
  • UV露光の図2
    モノマー:BisAタイプアクリレート 100部
    チオール:カレンズMT PE1 2部
    光開始剤:Irgacure184 2部

液安定性向上

アクリルとの安定性向上

メルカプト基と二重結合は、付加反応が生じますが、2級構造は立体障害によって、メルカプト基と二重結合との接触をおさえます。
したがって、2級構造のチオール化合物は、1級構造のチオール化合物と比べて、配合物の安定性が向上します。

アクリルとの安定性向上の図

※ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート

硬化収縮低減

実験

硬化収縮低減の図 型枠(左)に配合物を充填し、高圧水銀ランプ(照度:150mW/cm2)で1J/cm2露光し、成形性を確認しました。

  • バインダー成分の写真

    バインダー成分

    トリメチロールプロパントリアクリレート:100重量部
    Irgacure184:2重量部
  • バインダー成分の写真

    バインダー成分

    トリメチロールプロパントリアクリレート:90重量部
    KarenzMT PE1:10重量部
    Irgacure184:2重量部

密着向上(応力緩和)

  • ガラス基材
  • ステンレス基材
  • PET基材

※ここに掲載されている情報は、現時点における真実かつ正確と考えられるデータに基づいて作成しております。しかしながら、(株)レゾナックは、カレンズMT使用の結果、あるいはいかなる特許の侵害に対しても責任やリスクを負うものではありません。