CAS No.30674-80-7

2-イソシアナトエチルメタクリレート

カレンズMOI®

化学名別名:2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート

2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの図
C7H9NO3 分子量:155.15

特長

  • カレンズMOI® の化学的特長:分子設計の自由度が高くイソシアネート基を持つポリマー(オリゴマー)あるいは、メタクリル基を持つポリマー(オリゴマー)を容易に合成することができる機能性モノマーです。
  • イソシアネート基の反応性特長:芳香族イソシアネートと同等の反応性があるイソシアネートモノマーです。

反応性

カレンズMOI®のビニル基の重合性は、MMAとほぼ同じです。

共重合性の図


二重結合を先に反応させた場合、処方例

イソシアネート基を持つポリマー(オリゴマー)を容易につくることができます。

共重合の例

二重結合を先に反応させた場合、処方例の図


共重合体の具体的製法例


共重合体の具体的製法例の図


応用例

【接着剤】

ジシクロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、カレンズMOI® 、ビスフェノール-A エポキシアクリレート、テルペン樹脂、及び光開始剤より得られる組成物は、UV照射により、接着剤樹脂が得られます。この接着剤は湿気硬化性であり、金属・ガラスや光学ディスクのようなプラスチックの接合に使われます。
(スリーボンド:特開平 05-098217 等)

【湿気硬化性プライマー】

カレンズMOI® 、γ-(トリアルコキシシリル)プロピルメタクリレート及び他のアクリルモノマーを共重合して得られるポリマーは、大気中の湿気で網目構造を形成し、硬化します。有機質および無機質に対し、強固な接着性を示し、プライマーとして優れています。
(昭和高分子:特開平 63-030512 等)

【一液型自己硬化性塗料用樹脂】

カレンズMOI® と他のモノマーと共重合させ、イソシアネート基の一部をメチルエチルケトオキスムでブロックした後、残りのイソシアネート基にアミノアルコールを反応させてOH基を導入します。加熱するとブロックがはずれ、硬化します。
(関西ペイント:特開平 03-258826 等)

カレンズMOI® は脂肪族イソシアネートであるIPDI、HDIよりも高い反応性を示し、芳香族イソシアネート並みの反応性を示します。

イソシアネート基の反応性の図

イソシアネートを先に反応させた場合、処方例


(メタ)アクリル基を持つポリマー(オリゴマー)およびモノマーを容易につくることができます。

イソシアネートの具体的反応例


イソシアネートを先に反応させた場合、処方例の図

【イソシアネートの具体的反応例】

イソシアネートの具体的反応例の図

【応用例】

ダイシングテープ
ブチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸及びヒドロキシエチルアクリレートの共重合体にカレンズMOI® を付加させて反応性ポリマーを得ます。これとペンタエリスリトールトリアクリレート及び重合触媒を混合し、ポリプロピレンフィルムに塗布して粘着テープをつくります。半導体ウェハーをこのテープ上につけると、ダイシング中は剥がれることはありませんが、ダイシング終了後UV照射すると硬化収縮が起こり、汚れを残すことなく剥がれます。カレンズMOI® を成分として用いることにより分子設計がしやすく粘着剤の歩留まりがよくなります。
(日東電工(株):特開平 02-187478)

エマルジョン塗料
疎水性基とOH基を持つ化合物(例:ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル)とカレンズMOI® を反応させることにより得られるマクロモノマーを重合させ、アクリルポリマーを得ます。これを主成分とするエマルジョン塗料は、優れた耐摩擦性を示し、レべリング性が向上します。
(UCC:WO9324545)

UV硬化速度

イソシアネート基のウレタン化により、アクリルエステルと同等のUV硬化速度を示します。

UV硬化速度の図
図:ネオペンチルグリコール誘導体のUV硬化速度比較

用途

電子材料(液状レジスト、フィルムレジスト、カラーフィルターレジスト、半導体用テープ、粘着剤、接着剤)、印刷(刷版、カラー校正)、医療(ソフトコンタクトレンズ、歯科材料)、繊維・紙・木材(表面処理剤)、自動車(トップコート、補修用塗料、部品塗料)、家電(基板、絶縁材料)、建築用材料(セメントプライマー、塗料、接着剤)

用途の図


物理化学的性質
沸点 211℃
比重 1.096(25℃)
融点 -45℃
引火点 97℃(TCC)or99℃(COC)
比熱 1.80J/g・K
熱伝導度 1.59×10W/m・K
粘度 1.44mPa・sec
蒸気圧 211℃
蒸気熱 55.6KJ/mol
Tg 60℃(homopolymer)
品質情報
色相 無色または微黄色澄明液体
臭気 刺激臭
純度 97%以上
有害性情報
皮膚腐食性 強い腐食性を有する。
刺激性(皮膚、目) 強い刺激性があり、薬傷を起こし、失明に至ることがある。
感作性 有 モルモットに強い感作性がみられた。
急性毒性 経口 LD50(rat) 670-2,000mg/kg
経皮 LD50(rabbit)1,000-2,000mg/kg
吸入 LC50(rat) 25ppm/1hr.4ppm/6hrs.
亜急性毒性 25ppb以上で鼻粘膜過形成(91日間吸収亜急性)
変異原性 染色体異常試験 CHO細胞:陰性
【Ames test】
S 9mix(+)サルモネラ:TA98, TA100:陽性
S 9mix(+)サルモネラ:TA1535, TA1537:陰性
S 9mix(-)サルモネラ:TA98、TA100, TA1535, TA1537:陰性
環境影響情報
環境毒性 ヒメハヤ LC50(96hr) 162mg/L
ミジンコ LC50(48hr) 5mg/L
適用法規
消防法 第2条危険物 第4類 第3石油類 非水溶性液体
国際連合危険物輸送基準 国連分類:クラス6.1(毒物)
注意取扱および保管上の注意

ご使用になる前に、昭和電工(株)作成の製品安全データシートをお読みください。

取扱い

カレンズMOI® は眼、粘膜、皮膚等を腐食し、危険性が大きいので、以下のことを注意して取扱う。
1) 取扱作業者には、カレンズMOI® の毒性、反応性等につき、定期的に教育を受けさせる。
2) 皮膚、眼、着衣などに直接触れないように注意する他、蒸気を吸い込まないようにする。
3) もし、衣服にかかった場合は直ちに脱ぎ、皮膚は十分水で洗った後石鹸で洗い再び水洗いする。汚染した衣服は破棄する。

保管

  • 水、熱、強塩基、活性水素化合物(アルコール、アミン)との接触を避ける。
  • 湿気と反応し、不溶性のウレアおよび炭酸ガスを発生する。ウレアはパイプ、弁等の詰まりの原因となり、炭酸ガスは圧力上昇による容器破裂の原因となるので注意する。
  • 冷暗所に貯蔵。
  • その他、毒劇物、消防法などの法令に定めるところに従う。

荷姿

ケミカルドラム:1kg、20kg

※ここに掲載されている情報は、現時点における真実かつ正確と考えられるデータに基づいて作成しております。 しかしながら、昭和電工(株)は、カレンズMOI® 使用の結果、あるいはいかなる特許の侵害に対しても責任やリスクを負うものではありません。